2010年11月23日
冬の井上さんは柿酢マイスター

最近は「さぬきファームプロジェクト」の取材等で、
皆様にお世話になっております。
いつもありがとうございまーす

さて。今日は、先日、井上さん(井上養蜂園)の
柿酢づくりの現場をお訪ねした模様を
お伝えしたいと思います。
養蜂家の井上さん。
春夏の稼業がはちみつ屋さんであるのは皆さんご存知のとおり。
では秋冬の稼業は? といえば、
「柿酢醸造家」です。
何事にも研究熱心な井上さん。
柿酢の醸造についても造詣が深く、
単に商売として柿酢を作っているというよりも、
趣味が高じて柿酢醸造家になったような
「愛情+こだわり」に満ち溢れたお話をたっぷり伺いました。
柿酢に使うのは自然のままの「富有柿」。
それも、できるだけ完熟のとろけるような柿がいいそうです。
ふつうに果物として出荷する柿は、
シャッキリと硬い、
流通に耐えられるもの。
当たった柿や熟しすぎた柿は出荷できず、
残念ながら「廃棄」や「堆肥」の運命に。
でも、井上さんが柿酢用に欲しいのは、
まさにそんな柿!
井上さん宅の軒先にコンテナを置いておくと、
柿農家の皆さんが、
出荷できない柿をどっさり置いていってくれるそうです。
「ほんとにありがたいですよ」と井上さん。
柿酢の仕込みは、
まず、柿のヘタを取り、皮ごと容器に入れて
柿の実をぐちゅぐちゅとつぶすところから始まります。
「柿の皮に着いている白い粉。
これが発酵を助けてくれる大事な酵母菌なんです」
そして、ご自宅の醸造室で
酵母発酵を経て酢酸発酵をさせます。
容器の中はこんな感じ。
今年の柿が静か〜に発酵しています。
仕込みから完成までは、早くて4ヶ月。
現在は単一表示で販売していますが、
細かく言えばフレッシュな新酢、1年物、2年物と、
熟成の時を重ねるほど、
まろやかさと深みが増してくるそうです。
ワインや梅干しと同じですね。
そしてもうひとつ。
井上さんは、単に「柿酢」を製造するだけでなく、
その副産物の使い道の開拓研究にも取り組んでいます。
濁った酢は、水稲や野菜、果樹などに噴霧して、防虫、病気予防に。
柿の絞りカスは、土壌改良の酵素培養液材料として利用し、
現在、その効果を農家とともに実証しているそうです。
柿酢副産物の有効利用に興味のある農家さん!
ぜひ、井上さんと共同チャレンジしてみてはどうですか。
井上さんの柿酢は、
お知り合いの画家が描いてくれたという美しい柿のラベルが目印です。
750ml 1300円、300ml 580円(地元価格。県外価格は異なります)
(小池よう子)
Posted by 831 at 15:25│Comments(0)